CIDRとサブネットマスクを相互に計算する手順
IPアドレスとプレフィックス長から、ネットワークアドレスや使えるホストの範囲を求める手順を紹介します。両端の設定が食い違っていないかを確かめる方法と、IPの範囲をCIDRの並びに直す方法も説明します。
公開読了目安 約5分
この記事の要点
- CIDRでもサブネットマスクでも同じ結果にたどり着く
- 相手のプレフィックス長を入れると両方向で判定する
- IPの範囲をCIDRの並びに直して許可リストへ貼れる
- 先頭ゼロや非連続マスクは読み替えずにエラーになる
- 入力したアドレスはブラウザの中だけで処理される
目次
192.168.1.10/24 の範囲をすぐ知りたいときは、サブネット計算ツールに貼り付けてください。ネットワークアドレスから使えるホストの範囲まで、まとめて 1 画面に出ます。

手で計算すると、どこかで桁がずれる
紙の上でサブネットを解く手順は、実のところ単純です。IP アドレスとマスクを 2 進数に直して、上から順に重ねるだけです。
問題は、その単純な作業を 32 桁ぶん間違えずにやり切れるかどうかです。/22 や /26 のようにオクテットの途中で切れると、繰り上がりを 1 つ落とすだけで別のネットワークになります。
しかもこの種の間違いは、その場では気づけません。設定を投入して、機器がつながらなくなってから分かります。
貼り付けるだけで主要な値がそろう
操作は 2 手です。
- IP アドレス欄に
192.168.1.10/24のように入力する - 出てきた表を確かめる
/24 を書かないときは、下の欄にプレフィックス長かサブネットマスクを入れてください。24 でも 255.255.255.0 でも、同じ結果になります。

2 進数の境目を見ると納得できる
表の下には、32 桁の 2 進数が 3 段で並びます。IP アドレス・サブネットマスク・ネットワークアドレスの順です。
太字の左側がネットワーク部で、| より右がホスト部です。マスクの 1 が続いている範囲と、そのまま重なっています。

その下には、そのアドレスの用途が出ます。192.168.0.0/16 なら RFC 1918 のプライベートアドレスと表示されます。
ループバックやリンクローカル、文書用に予約された帯もここで分かります。検証環境のアドレスを決めるときの手がかりになります。
「つながらない」を両方向から切り分ける
このツールで一番役に立つのが、この使い方です。「同じネットワークか確かめる」を開いて、相手の IP アドレスを入れてください。
相手側のプレフィックス長も入れると、両方向で判定します。こちらから相手を見た結果と、相手からこちらを見た結果が、別々の行に並びます。

上の画面では、こちらは /16、相手は /24 で設定されています。こちらから見ると同じネットワークですが、相手から見ると別のネットワークです。
この状態では、行きは直接届くのに帰りはルーター経由になります。片方向の判定しか見ていないと、「同じネットワークなのに、なぜか返ってこない」で止まります。
使用例
たとえば、小さなオフィスのネットワークを見ている担当者を思い浮かべてください。新しく置いた複合機だけが、なぜか社内サーバーと通信できません。
複合機には 10.0.2.7、サーバーには 10.0.1.5 が入っています。どちらも 10.0 で始まるので、同じネットワークに見えます。
そこで両方のマスクを入れて確かめると、サーバー側が /16、複合機側が /24 でした。複合機からはサーバーが別セグメントに見えているので、既定のゲートウェイに投げてしまいます。
原因が「アドレスの割り当て」ではなく「マスクの設定」だと分かったので、直す場所が 1 か所に絞れました。
ブロックを分けるときは件数も一緒に見る
「サブネットに分割する」を開いて、分割後のプレフィックス長を選びます。ブロックごとのネットワークアドレスと、使えるホストの範囲が一覧になります。

/24 を /26 に分けると 4 ブロックです。1 ブロックあたり 64 アドレスで、そのうち使えるのは 62 になります。
件数が多くなるときは、一覧を先頭 128 件で打ち切ります。その場合は「全 65,536 件」のように総数を添えるので、少なく見えたまま設計を進める心配はありません。
半端な範囲を CIDR の並びに直す
「10.0.0.5 から 10.0.0.10 まで」のような範囲を、設定ファイルに書ける形へ直したい場面があります。「IP の範囲から CIDR を求める」を開いて、開始と終了を入れてください。

上の範囲は 4 つのブロックに割れます。10.0.0.5/32 10.0.0.6/31 10.0.0.8/31 10.0.0.10/32 の順です。
境目のそろっていない範囲は、1 つの CIDR では書けません。位置合わせできる最大のブロックから切り出すので、個数は最小になります。
書き間違いを近い値に読み替えない
192.168.01.10 のように先頭へ 0 を付けた書き方は、環境によって 8 進数として読まれます。その場合 010 は 8 になり、まったく別のアドレスを指します。

このツールは「たぶんこうだろう」と読み替えません。答えだけ出して、元の設定が誤ったまま残るのを避けるためです。
255.255.0.255 のように 1 が連続しないマスクも同じです。CIDR で書けない形なので、近いプレフィックス長へ丸めずエラーにします。
スマートフォンでも同じ結果が出る
画面が狭いときは、入力欄も表も縦に積み替わります。長い一覧は横に滑らせて読む形です。

現場で機器を触りながら範囲だけ確かめたい、といった場面でも同じ値が得られます。
関連するツール
- 基数変換ツール — 10 進数と 2 進数を行き来する
- cron式解説ツール — 設定の書式を日本語で読み解く
- ハッシュ計算ツール — 設定ファイルの同一性を確かめる
- JWTデコーダー — トークンの中身を確かめる
まとめ
CIDR とサブネットマスクは同じことを別の書き方で表しています。どちらで入れても同じ結果にたどり着くので、手元にある表記のまま貼り付けてください。
つながらない原因を追うときは、相手側のマスクまで入れて両方向で確かめる価値があります。片側だけ同じに見える状態は、目視ではまず気づけません。
入力したアドレスはブラウザの中だけで処理されるので、社内の設計書に載っている値もそのまま扱えます。
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