印刷した紙の寸法が合わないときの確かめ方
100%で印刷したのに実寸と違う、という状態を切り分ける手順をまとめました。まず1本の線を測ってずれの割合を出し、そこから用紙違い・ページに合わせる設定・余白の印刷可能領域のどれかを絞り込みます。
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この記事の要点
- まず長さの分かる線を1本刷って定規で測る
- 測った長さ÷本来の長さがずれの割合になる
- 94%前後ならA4をレターに収めた可能性を疑う
- 97%前後ならJIS B5をISO B5に収めた可能性を疑う
- 縦と横で割合が違うなら縦横比を保たない拡大縮小を疑う
目次
刷った紙の寸法が指定どおりにならないときは、長さの分かる線を1本刷って定規で測るのが最短です。ずれの割合が出れば、原因はかなり絞れます。
倍率を100%にしたのに合わない、という相談はよくあります。原因は倍率そのものではなく、その手前で用紙や領域が入れ替わっていることが多いためです。
まず1本の線を刷って測る
用意するのは、長さの分かる直線が1本入った紙だけです。100mmの線が引いてあれば十分です。
刷ったら定規を当てて読みます。96mmなら、ずれの割合は96 ÷ 100 = 0.96です。
このとき縦と横の両方を測ってください。割合が同じなら全体が一様に縮んでおり、違うなら別の原因が混じっています。
ずれの割合から原因を絞る
割合が分かると、候補はこれくらいまで絞れます。
| 測った割合 | 疑うところ |
|---|---|
| 縦横とも 0.94 前後 | A4の紙面をレター(8.5 × 11インチ)に収めている |
| 縦横とも 0.97 前後 | JIS B5の紙面をISO B5に収めている |
| 縦横とも 0.95〜0.98 の半端な値 | 印刷できる範囲に合わせる設定が入っている |
| 縦と横で割合が違う | 縦横比を保たない拡大縮小が掛かっている(縦だけ・横だけを伸ばす設定) |
| 縦横とも 0.71 前後 | 2ページを1枚に割り付けている |
| 縦横とも 0.5 前後 | 4ページを1枚に割り付けている |
割り付けの割合が0.5でなく0.71なのは、2ページを1枚に置くと面積が半分になるからです。長さの比は面積の平方根で、1 ÷ √2 は約0.707になります。
割合が1.00に近いのに合わない場合は、そもそも紙面の寸法指定が違っている可能性があります。
用紙サイズの取り違えを先に見る
同じ「B5」でも規格が2つあります。ISO B5は176 × 250mm、JIS B5は182 × 257mmです。
日本の文具は基本的にJIS B5ですが、ソフトの用紙一覧に並ぶ「B5」がISO側を指していることがあります。
縮むのは大きいほうを小さいほうに収める向きだけです。JIS B5(257mm)の紙面をISO B5(250mm)に収めると 250 ÷ 257 で約0.973になります。
逆にISO B5の紙面をJIS B5の紙へ出しても、収まっているので縮みません。表の0.97前後は前者の向きだけを指しています。
A4とレターも同じです。A4(297mm)の紙面をレター(279.4mm)に収めると 279.4 ÷ 297 で約0.941になります。
用紙の指定と、実際にトレイへ入っている紙をそろえるのが先です。ここが合っていないと、倍率をどう触っても寸法は合いません。
「ページに合わせる」を切る
印刷ダイアログには、倍率の指定とは別に「印刷できる範囲に合わせる」「用紙に合わせる」といった項目があります。名前はソフトによって変わります。
紙の端には、機構上インクを載せられない部分があります。ここを避けて全体を収めようとすると、指定が100%でも紙面はわずかに縮みます。
- ブラウザの印刷: 「詳細設定」の倍率を「規定」ではなく「カスタム」の100にする
- PDFビューア: 「実際のサイズ」を選ぶ(「ページに合わせる」は倍率を自動で動かす)
- プリンタドライバ: 「フチなし」「用紙に合わせる」「拡大/縮小」をすべて切る
3つとも別々の場所にあり、どれか1つが残っているだけでずれます。上から順に確かめてください。
余白を広めに取って逃げる
印刷できない範囲は機種によって違います。手元の1台で合わせても、別のプリンタでは同じ設定にならないことがあります。
そこで、寸法が要る紙は余白を10mm以上取るのが実務的です。外周が多少削られても、内側のマス目や図の寸法には影響しません。
紙いっぱいに刷ろうとするほど、印刷できる範囲との衝突が起きやすくなります。
それでも合わないときは補正する
ここまで確かめてもわずかにずれることがあります。ドライバの内部処理までは利用者から見えないためです。
その場合は、ずれを打ち消す寸法で描き直すのが現実的です。0.96倍で刷られると分かっているなら、5mmのマスを5.208mmの寸法で作れば、紙の上では5mmになります。
方眼紙メーカーはこの補正を持っています。測った長さを入れると倍率を打ち消す寸法で描き直し、刷り直したときに確かめるための2本目の目盛を一緒に出します。
確かめる順番
- 長さの分かる線を1本刷り、縦と横を定規で測る
- 測った長さ ÷ 本来の長さでずれの割合を出す
- 用紙の指定とトレイの紙をそろえる(B5とレターの取り違えを先に見る)
- 「ページに合わせる」「用紙に合わせる」をすべて切る
- 余白を10mm以上にして刷り直す
- まだ合わなければ、ずれの割合で補正した紙面を作る
この順番なら、原因を1つずつ消していけます。いきなり倍率を触って数字を上下させるより早く決まります。
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