偏差値から上位何%かを読む方法と当てにならない場面
偏差値と上位%の対応表と、その数字がどんな前提で作られているかを説明します。満点に人が集まる回や少人数のテストで早見表がずれる理由と、実際の順位から確かめる手順もまとめました。
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この記事の要点
- 偏差値60は上位約15.9%という対応表には前提がある
- 前提は点数が正規分布に従うことで、いつも成り立つわけではない
- 満点に人が集まる回や二山になる回は大きくずれる
- 実際の順位から数えれば前提なしで割合が分かる
- 少人数のテストでは早見表の%を細かく読まない
目次
偏差値 60 は上位およそ 15.9%。この対応は「点数が正規分布に従うなら」という前提の上に成り立っています。前提が崩れる回では、実際の順位と 30 ポイント以上ずれることもあります。
偏差値と上位%の対応表
まず、よく見かける対応表を置いておきます。ここに並ぶ数字は、点数が正規分布に従うと仮定して計算したものです。
| 偏差値 | 上位およそ | 100人なら |
|---|---|---|
| 80 | 0.13% | 1位以内に届くか届かないか |
| 75 | 0.62% | 1位 |
| 70 | 2.28% | 2〜3位 |
| 65 | 6.68% | 7位 |
| 60 | 15.87% | 16位 |
| 55 | 30.85% | 31位 |
| 50 | 50.00% | 50位 |
| 45 | 69.15% | 69位 |
| 40 | 84.13% | 84位 |
| 35 | 93.32% | 93位 |
| 30 | 97.72% | 98位 |
50 を境に上下が対称になっているのが特徴です。偏差値 60 の上位 15.87% と偏差値 40 の上位 84.13% は、足すとちょうど 100 になります。
この表が前提にしていること
対応表の数字は、点数のヒストグラムが左右対称の釣鐘型になっている場合の値です。平均点のあたりに人が最も多く、離れるほど少なくなる形を指します。
なぜこの形を仮定するかというと、そうしないと偏差値から割合を出せないからです。偏差値そのものは「平均から標準偏差いくつぶん離れているか」しか表していません。
離れ具合が同じでも、点数の分かれ方が違えば順位は変わります。表の数字は「よくある形だとしたら」という条件付きの目安だと考えてください。
前提が崩れる 3 つの場面
満点や 0 点に人が集まったとき
これがいちばん多い崩れ方です。テストがやさしすぎると満点が並び、右側で人数が切り立ちます。釣鐘型の右の裾がありません。
たとえば 10 人中 7 人が満点だった回を考えます。満点を取った人の偏差値は 54.22 にしかならず、対応表を引くと上位およそ 33.7% と出ます。
ところが実際には、その 7 人が上位 70% を占めています。実際の順位から数えた割合と、表から読んだ割合が 36 ポイント以上ずれます。
満点は取れる最高点なので、その上に誰もいません。それでも表は「上位 33.7% くらいの位置」と答えてしまいます。
点が二山に割れたとき
授業でやった範囲かどうかで正答が分かれる回では、高得点の山と低得点の山が 2 つできます。真ん中の人がいちばん少ない形です。
この形だと、平均点の付近にいる人はごく少数です。偏差値 50 の人が「ちょうど真ん中」だとは限りません。
山と山のあいだにいる 1 人は、実際の順位で見ると上位 50% あたりに固まっている大勢と大きく違う位置にいます。表の数字はその差を写せません。
人数が少ないとき
30 人のクラスでは、1 人あたりが全体の 3.3% を占めます。上位 2.28% という数字は、そもそも表せない細かさです。
それでも計算はできてしまうので、対応表を引くと小数第 2 位まで出ます。人数で割り切れない細かさの数字を、そのまま読まないことです。
少人数では標準偏差そのものも安定しません。1 人が極端な点を取ると平均も標準偏差も動き、全員の偏差値が変わります。
実際の順位から数えれば前提が要らない
点数の一覧が手元にあるなら、割合は数えるだけで出ます。自分以上の点だった人が何人いるかを、全体の人数で割ります。
この数え方には前提がありません。点の分かれ方がどんな形でも、出てくる割合はその一覧の中での事実です。
偏差値計算ツールは、点数の一覧を貼り付けると 2 つの割合を並べて出します。数えた割合と、対応表と同じ考え方で出した推定の割合です。差も一緒に出るので、その回で表を信じてよいかが分かります。
順位と上位%は同じではない
もうひとつ、混同しやすい点があります。順位と上位%は、同点がいると一致しません。
順位は「自分より高い点の人数 + 1」で決めるのがふつうです。同点なら全員が同じ順位になり、次の順位が飛びます。
上位%は「自分以上の点だった人数 ÷ 全体」です。同点の人は全員が分子に入ります。
4 人中 2 人が最高点で並んだ場合、順位はどちらも 1 位ですが、上位%は 50% です。「1 位なのに上位 50%」は誤りではなく、2 つの数え方の定義の差です。
結果票の数字を読むときの順番
模試や検定の結果票に載っている偏差値と%を読むときは、次の順で確かめると取り違えが減ります。
- その%が何から出た数字かを探す。実際の順位から出しているのか、正規分布を仮定した推定なのか。
- 標準偏差が併記されているかを見る。書かれていれば、自分の得点と平均点から偏差値を検算できます。
- 平均点と満点の距離を見る。平均点が満点に近い回は、上の「満点に人が集まったとき」に当てはまります。
- 受験者数を見る。数百人以下なら、%の小数第 2 位は読まないほうが無難です。
多くの結果票は、実際の順位も一緒に載せています。順位が載っているなら、そちらのほうが前提の少ない情報です。
まとめ
偏差値と上位%の対応表は便利ですが、点数が釣鐘型に散らばっているという条件の上にあります。条件は毎回成り立つわけではありません。
満点が並ぶ回、点が二山に割れる回、人数が少ない回。この 3 つでは表の数字と実際の位置がずれます。
点数の一覧が手に入るなら、数えて出した割合のほうを見てください。前提が要らないぶん、その回の実態をそのまま表しています。
標準偏差の求め方そのものは標準偏差の求め方を4ステップで理解するにまとめてあります。ツールの操作手順は点数を貼り付けて全員の偏差値と順位をまとめて出す手順を参照してください。
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