丸めたら合計が合わない原因と、ずれをなくす3つの方法
1 件ずつ四捨五入して足すと、合計が元の合計と合わなくなります。ずれがどこまで大きくなるのか、件数とどう関係するのかを数字で示し、丸める順番を変える・合計だけ丸める・1 単位ずつ配る、の 3 つの直し方を比べました。
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この記事の要点
- ずれは丸めた件数に比例して積み上がる
- 1 件あたりの差は最大で半単位まで開く
- 直し方は丸める順番・合計だけ丸める・1 単位ずつ配るの 3 つ
- 行ごとの値も見せる表では 3 つ目しか使えない
- 切り上げと切り捨ては 1 件あたりの差が四捨五入の 2 倍になる
目次
1 件ずつ四捨五入して足したら合計が合わなくなった、という場合、計算はどこも間違っていません。
丸めるたびに捨てた端数が積み上がっただけです。どこまで大きくなるかは件数から見積もれます。
以下では、ずれの大きさを数字で示したうえで、直し方を 3 つ比べます。どれを選ぶかは「行ごとの値も見せるか」で決まります。
ずれは件数に比例して積み上がる
四捨五入で 1 件あたりに動く量は、最大で半単位です。整数に丸めるなら 0.5、小数第 1 位に丸めるなら 0.05 までです。
動く向きは値によって上下に分かれます。上下が同じくらい出れば打ち消し合いますが、偏るとそのぶん残ります。
たとえば構成比の一覧では、末尾が 1〜4 の値が続くことがあります。そのとき丸めは全部下向きになり、件数ぶんの端数がまとめて消えます。
合計が 100.0 になる 8 件(28.6 / 19.4 / 15.4 / 12.4 / 9.4 / 6.4 / 5.4 / 3.0)を整数に丸めると、合計は 98 です。
下がったのは 6 件で −0.4 ずつ、上がったのは 28.6 の 1 件で +0.4、3.0 は動きません。差し引き 2.0 が残りました。
切り上げ・切り捨ては 1 件あたりの差が 2 倍になる
四捨五入で動く量は最大でも半単位ですが、切り上げと切り捨ては最大 1 単位まで開きます。同じ件数でもずれが大きく出ます。
さらに符号がそろったデータ(全部プラス、または全部マイナス)では、すべての行が同じ向きへ動くので打ち消し合いません。ずれは一方向へ積み上がります。
プラスとマイナスが混ざる場合は、丸め方の種類で結果が変わります。
「+の方向へ」(ceil / floor)は名前のとおり全行が同じ向きへ動きます。一方「絶対値を大きく」では 1.2 が 2、-1.2 が -2 になり、差が打ち消し合います。
在庫の箱数のように「足りないと困る」量なら切り上げ、席数のように「はみ出すと困る」量なら切り捨て、と使い分けます。ずれが大きく出ることは織り込んでおきます。
直し方は 3 つある
方法 1: 丸めるのを最後にする
途中の値を丸めず、合計を出してから 1 回だけ丸めます。これで合計は必ず正しくなります。
表計算ソフトなら、表示の桁数だけを減らして中身は元の値のままにする形です。合計セルは中身どうしを足すので、ずれません。
使えるのは行ごとの値を見せなくてよいときだけです。画面に出た「28.6 → 29」の 29 を読み上げる場面では成り立ちません。
方法 2: 行の値を丸めて、合計は別に丸める
行は丸めた値を載せ、合計欄には「元の合計を丸めた値」を入れます。
合計は正しくなりますが、表の中で足し算が合わなくなります。読み手が縦に足すと 98、合計欄には 100 と書いてある状態です。
注記を添えれば通ることもあります。ただし「計算が間違っている」と受け取られやすいので、資料の性質を見て決めます。
方法 3: 何行かを 1 単位だけ動かす
行の値も合計も両方そろえたいなら、これしかありません。丸めで失った量が大きい行から順に、1 単位ずつ返します。
先ほどの 8 件なら、19.4 と 15.4 の 2 行を 1 ずつ上げると合計が 100 になります。動かした行の値は 20 と 16 になり、元の値との差はそれぞれ 0.6 です。
配る先を「失った量が大きい順」にするのは、動かしたあとの差をいちばん小さく抑えられるからです。この配り方は最大剰余法と呼ばれます。
どれを選ぶかは表の見せ方で決まる
| 見せ方 | 使える方法 |
|---|---|
| 合計だけ載せる | 方法 1 |
| 行の値だけ載せる | 方法 1 と同じ扱いでよい |
| 行と合計を両方載せる | 方法 2 または方法 3 |
| 行と合計が両方あって、縦に足して確かめられたい | 方法 3 だけ |
会議で読み上げる資料や、印刷して配る表は最後の行に当たることが多いです。読み手が電卓を持っている前提で作るなら、方法 3 に寄せておくと後で困りません。
ずれの量を先に見てから決める
どの方法を採るにしても、まずずれがいくつなのかを知るのが早道です。ずれが 0 なら何もしなくて済みます。
四捨五入・端数処理計算に一覧を貼り付けると、丸める前と丸めたあとの合計、そしてその差が並んで出ます。「合計をそろえる」を入れれば方法 3 の結果もその場で出ます。
ツールに入力した数値はブラウザの中だけで処理し、外部サーバーには送信しません。社内の集計表をそのまま貼り付けられます。
よくある勘違い
「合計が合わないのはソフトの不具合」と考えてしまうことがありますが、丸めた値を足せば合わないのが正しい動きです。
表示の桁数を減らしただけの状態と、値そのものを丸めた状態は別物です。前者は中身が元のままなので合計はずれません。画面の見た目からは区別が付かないので、どちらの操作をしたのかを確かめます。
もう 1 つ、途中で丸め直すと結果そのものが変わります。2.45 を整数にすると 2 ですが、小数第 1 位を経由すると 2.5 になり、そこから整数にして 3 になります。元の値から目的の桁まで一度で丸めます。
まとめ
丸めた合計がずれるのは、端数が件数ぶん積み上がるからです。四捨五入なら 1 件あたり半単位、切り上げと切り捨てなら 1 単位まで開きます。
直し方は 3 つあり、行と合計を両方見せて縦に足せる表にしたいなら、1 単位ずつ配る方法だけが残ります。
まずはずれの量を数字で見てから、どこまで手を入れるかを決めてください。
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