てもとツール
ツール紹介

合成抵抗を式で計算する手順|並列の逆算と手持ちの組み合わせ探しまで

直列と並列が混ざった回路の合成抵抗を、式を 1 行書いて求める手順をまとめました。計算の順番の読み方、割り切れない答えの分数、あと 1 本で目標の値にする逆算、手持ちの抵抗から近い組み合わせを探す方法まで、画面を追って説明します。

公開読了目安 約4分

この記事の要点

  • + が直列、// が並列の式を書くと合成抵抗が出る
  • // は + より先に計算し、読み取った式にかっこが付く
  • 割り切れない答えは ≒ と分数の両方で出る
  • あと 1 本を直列・並列につなぐ値を逆算できる
  • 手持ちの値だけで目標に近い組み合わせを探せる
目次

直列と並列が混ざった回路の抵抗値は、式を 1 行書けば求まります。 直列は +、並列は // でつなぎます。

合成抵抗計算は、その式を読んで計算の順番を 1 段ずつ見せます。 手計算の答え合わせや、手元の部品で値を作るときの下調べに使えます。

合成抵抗の計算でつまずきやすいところ

直列は足し算なので迷いません。 つまずくのは、並列が混ざったときです。

並列は、逆数を足してから、もう一度逆数にします。 2 本なら「掛けて、足したもので割る」近道がありますが、3 本には使えません。

直列と並列が混ざると、どこから先にまとめるかでも答えが変わります。 順番を 1 つ取り違えると、もっともらしい別の値が出てしまいます。

式を書いて合成抵抗を出す

最初に「やりたいこと」で「つなぎ方から計算」を選びます。 開いたときは、このモードになっています。

合成抵抗計算の入力欄。やりたいことに「つなぎ方から計算」「あと1本を逆算」「手持ちで目標を作る」の 3 つのチップが並び、つなぎ方の式の欄に 100 + 220 // 330 と入っている。下に書き方の説明と、直列の例・並列の例・組み合わせの例のチップがある

100 Ω に、220 Ω と 330 Ω の並列をつないだ回路なら、100 + 220 // 330 と書きます。 値は 4.7k・4k7・4700 のどれで書いても同じに読みます。

迷ったら、下の例のチップを押してください。 直列・並列・組み合わせの式が 1 つずつ入ります。

読み取った式と計算の順番を確かめる

100 + 220 // 330 の合成抵抗は 232 Ω です。 その下に、読み取った式と計算の順番が並びます。

結果の画面。合成抵抗 232 Ω。読み取った式の欄に 100 Ω + (220 Ω ∥ 330 Ω) とあり、計算の順番に 1. 220 Ω ∥ 330 Ω = 132 Ω、2. 100 Ω + 132 Ω = 232 Ω の 2 段が並んでいる

読み取った式には、(220 Ω ∥ 330 Ω) とかっこが付いています。 // は + より先に計算する決まりだからです。

計算の順番を見ると、先に並列の 132 Ω が出て、そこへ 100 Ω を足しています。 手で解いた途中の値と、1 段ずつ見比べられます。

かっこの位置で答えが変わる

(100 + 220) // 330 と書くと、先に直列をまとめます。 答えは約 162.46 Ω になり、さっきの 232 Ω とは違う値です。

読み取った式が思った形と違うときは、かっこを足して書き直してください。 どこから先にまとめたかは、いつも画面に出ています。

割り切れない答えは分数も見る

並列の答えは、割り切れないことがよくあります。 100 // 200 は、66.666… Ω と続きます。

結果の画面。合成抵抗 ≒ 66.6667 Ω。その下に「正確には 200/3 Ω」とあり、読み取った式 100 Ω ∥ 200 Ω と、計算の順番 100 Ω ∥ 200 Ω ≒ 66.6667 Ω が並んでいる

画面の値は 6 桁で丸めてあり、丸めたしるしに ≒ が付きます。 その下の「正確には 200/3 Ω」が、丸める前の値です。

計算は分数のまま最後まで進めています。 途中で丸めた誤差が、次の段に持ち越されることはありません。

値だけを並べて直列と並列を比べる

演算子を書かずに 100 220 330 と値だけを並べることもできます。 このときは、全部直列と全部並列の 2 つが出ます。

値だけを並べたときの結果。全部直列 650 Ω と、全部並列 ≒ 56.8966 Ω(正確には 1650/29 Ω)の 2 枚が横に並び、下に計算の順番が 2 段ある

全部直列は 650 Ω、全部並列は約 56.8966 Ω です。 同じ 3 本でも、つなぎ方で 10 倍以上ちがうことが分かります。

あと 1 本で目標の値にする

「あと1本を逆算」では、いまの抵抗に何 Ω をつなげば目標になるかを出します。 いまの抵抗の欄には、式も書けます。

逆算の結果。いまの抵抗 1 kΩ を目標 750 Ω にするには、並列につなぐ値 3 kΩ と、検算(分数のまま計算)1 kΩ ∥ 3 kΩ = 750 Ω。直列に足す値のカードには「作れません。直列に足すと値は大きくなる一方で、いま(1 kΩ)より小さくはなりません。」とある

1 kΩ を 750 Ω にしたいなら、並列に 3 kΩ をつなぎます。 下の検算で、つないだ結果がちょうど 750 Ω になることも確かめています。

直列のカードには「作れません」と出ます。 直列に足すと値は大きくなるだけなので、いまより小さい目標には届きません。

手持ちの抵抗で目標に近い組み合わせを探す

「手持ちで目標を作る」では、手元にある値を書いて組み合わせを探します。 目標を 3.3k、手持ちを 1k 2.2k 4.7k 10k にした例です。

手持ちで目標を作るの結果。先頭に「手持ち: 1 kΩ、2.2 kΩ、4.7 kΩ、10 kΩ」、その下に「手持ちの 4 種類から、3 本までのつなぎ方 144 通りを試した中で、目標に近い順に 8 件を並べています」と範囲の断りがある。1 位は 2.2 kΩ + (2.2 kΩ ∥ 2.2 kΩ) で 3.3 kΩ、目標とぴったり同じ/2.2 kΩ を 3 本。2 位は 4.7 kΩ ∥ (1 kΩ + 10 kΩ) で ≒ 3.29299 kΩ、ずれ −0.2123%(−≒7.00637 Ω)

1 位は、2.2 kΩ を 3 本使って 3.3 kΩ ぴったりにする組み合わせです。 同じ値を何本使うかは、「2.2 kΩ を 3 本」のように文字で出ます。

2.2 kΩ が 1 本しか無いなら、「書いた本数だけ使う」に切り替えます。 2 本あるなら、一覧に 2 回書いてください。

一覧の上には、試した範囲が書いてあります。 3 本までのつなぎ方をすべて試した中での順位で、4 本以上は試していません。

使用例

たとえば、工作の回路で 750 Ω が必要なのに、部品箱には 1 kΩ しか見当たらない場面です。 逆算で並列に 3 kΩ と分かり、その 3 kΩ も無ければ手持ちのモードで近い組み合わせを探します。

結果をコピーして残す

「結果をコピー」を押すと、読み取った式・答え・計算の順番がまとめて貼り付きます。 手持ちのモードでは、試した範囲の断りも一緒に入ります。

ノートや回路のメモに貼っておけば、あとから同じ計算を見返せます。

まとめ

合成抵抗計算は、つなぎ方を式で書いて合成抵抗を出すツールです。 // を + より先に計算し、読み取った式と計算の順番を画面に出します。

割り切れない答えは分数でも確かめられます。 あと 1 本の逆算と、手持ちの値での組み合わせ探しも同じ画面で使えます。

並列の公式の使い分けは「並列抵抗の求め方」にまとめています。

あわせて読みたい

同じテーマ・関連ツールの記事です。