横書きの読点は「、」か「,」か|公用文作成の考え方で決まったこと
横書きの読点はテンとコンマのどちらを使うのか。文化審議会の建議「公用文作成の考え方」(令和4年)の本文をもとに、原則と許容の範囲、句点のピリオドの扱い、混在を避ける確かめ方を整理します。
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この記事の要点
- 読点はテンが原則で、横書きではコンマも使ってよい
- 求められているのは1つの文書の中での統一
- 句点のピリオドは学術的・専門的に必要な場合等に限られる
- 欧文の中ではコンマとピリオドを使う
- 提出先に指定があるなら、その指定が先に来る
目次
横書きの読点は、テンを使うのが原則です。ただし横書きではコンマを使ってもよく、禁止されているわけではありません。
これは文化審議会が令和 4 年 1 月 7 日に建議した「公用文作成の考え方」の内容です。この記事では、建議の本文が実際に何と書いているかを確かめます。
建議の本文はこう書いている
句読点についての記述は、本文の「表記の原則」の中にあります。
句点には「。」(マル)読点には「、」(テン)を用いることを原則とする。横書きでは、読点に「,」(コンマ)を用いてもよい。ただし、一つの文書内でどちらかに統一する。
同じ建議の解説は、もう少し詳しく書いています。
句点には「。」(マル)、読点には「、」(テン)を用いることを原則とするが、横書きでは事情に応じて「,」(コンマ)を用いることもできる。ただし、両者が混在しないよう留意する。学術的・専門的に必要な場合等を除いて、句点に「.」(ピリオド)は用いない。欧文では「,」と「.」を用いる。
この 2 か所から読み取れることは 4 つです。順に見ていきます。
コンマは使ってよい。求められているのは統一
建議がはっきり求めているのは、1 つの文書の中でテンとコンマを混ぜないことです。どちらを選ぶかは、横書きなら事情に応じて決められます。
「公用文ではコンマは使えなくなった」という理解は、本文と合いません。原則がテンになったうえで、横書きのコンマは許容として残っています。
混在は、たとえば複数の人が書いた原稿をつなぐときに起こりえます。担当ごとに入力の設定が違えば、同じ文書の中で読点が 2 種類になります。
句点のピリオドは例外の扱い
句点については、読点より書き方が強くなっています。ピリオドは「学術的・専門的に必要な場合等を除いて」用いないとされています。
読点と句点の組み合わせ 3 通りを、建議の扱いで並べると次のとおりです。
| 組み合わせ | 建議での扱い |
|---|---|
| テンとマル | 原則 |
| コンマとマル | 横書きで許容 |
| コンマとピリオド | 句点のピリオドは学術的・専門的に必要な場合等に限る |
論文やレポートがこの「学術的・専門的に必要な場合等」に当たるかを、建議は分野ごとには決めていません。提出先の規定を先に確かめるのは、このためです。
欧文と数字の中のコンマは別の話
解説の最後の一文は、欧文ではコンマとピリオドを用いるというものです。英語の引用や参考文献の表記は、日本語の読点の選び方とは切り離されています。
数字も同じです。建議は別の箇所で、大きな数は三桁ごとにコンマで区切るとしています。1,000 のコンマは読点ではありません。
この区別は、あとから読点をまとめて置き換えるときに効いてきます。数字や英文の中の記号まで置き換えると、文書が壊れます。
何が変わったのか
建議は、昭和 26 年の「公用文作成の要領」に代わるものとして出されました。報道発表は、横書きの読点をテンにすることを原則としたと要約しています。
建議のもとになった国語分科会の報告は、理由として表記の実態を挙げています。左横書きの公用文では、コンマよりもテンが使われることが多いという実態です。
なお建議は、法令を直接の対象にはしていないと断っています。この記事で扱っているのも、公用文作成の手引としての考え方までです。
自分の文書はどれにするか
公用文の考え方は、政府の文書作成の手引として出されたものです。自分の文書にどう当てはめるかは、次の順で考えると迷いません。
- 提出先に指定があるか確かめる。執筆要領や投稿規定があれば、それに従う
- 指定が無く、公用文に準じた文書なら、テンとマルを選ぶ
- 横書きでコンマを使いたい事情があれば、コンマとマルにする
- どれを選んでも、1 つの文書の中で混ぜない
いちばん大事なのは 4 番目です。原則か許容かの前に、混ざっていること自体が読み手を止めます。
混ざっていないかを確かめる
長い文書では、読点が混ざっていても目では見落とします。全角のコンマと半角のコンマは、多くの書体でほとんど同じ形に見えるからです。
句読点変換ツールに貼ると、変換前の読点と句点を種類ごとの個数で出します。

この例は、テンとコンマが混ざり、句点がピリオドになっていた文書です。コンマとマルにそろえると、読点はコンマ、句点はマルに統一されます。
置き換えのときは、数字の中のコンマや URL の中の点を残します。操作の手順は句読点をそろえる手順にまとめています。
まとめ
横書きの読点はテンが原則で、コンマも使えます。句点のピリオドは、学術的・専門的に必要な場合等に限られます。
どれを選ぶにしても、1 つの文書の中で統一することが求められています。提出先に指定があれば、それを先に確かめてください。
参考・出典
- 公用文作成の考え方(建議) — 文化審議会(文化庁) (2026-09-23 閲覧)
- 文化審議会建議「公用文作成の考え方」について — 文化庁 (2026-09-23 閲覧)
本記事は上記の公的機関・公式情報源を参考にしています。最新の情報は各リンク先をご確認ください。
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